イワン・ツルゲーネフは、フョードル・ドストエフスキーやレフ・トルストイと並んでロシア文学を代表する作家の一人です。
彼の「初恋」は、1860年に雑誌『読書文庫』に発表された中編小説で、半自伝的性格を持ち、彼が生涯で最も愛した小説と言われています。
今回は、そんな彼の「初恋」を読んだ感想やおすすめしたい人についてご紹介したいと思います。
最後までゆっくりとご覧くださいね!
イワンツルゲーネフ「初恋」を読んだ感想について
早速、イワン・ツルゲーネフの「初恋」を読んだ感想からご紹介したいと思います。
「初恋」は主人公である16歳の少年のウラジミールが、自宅のとなりに引っ越してきた年上の美しい女性ジナイーダに恋をする場面から始まります。
しかし、ジナイーダに言い寄る男たちは数知れず、男たちが自分にひれ伏すのを楽しみにするような人物。
ウラジールはジナイーダの家に遊びにいくも、若く経験もないウラジールは成すすべもなく彼女への思いは募るばかり・・・。
ジナイーダはウラジミールが自分に恋心を抱いているのを知っていながら、彼の心を持て遊んでいたのですが、実はジナイーダは自分にひれ伏す男には興味はなく、むしろ逆に自分を支配するような強い男に興味があったんです。
思春期特有の少年が女性を美化して恋焦がれる気持ちは私にも覚えがあり、大いに主人公の少年に共感できました。
また、自分の自信のなさから好きな女性がいながらも自分から告白することができないもどかしさや、好きな女性から相手にされない悲しさなども経験済みなので、その心理が手にとるように分かりました。
そして、ジナイーダに好きな男ができたことを少年が知り、待ち伏せしてその相手をつきとめると、なんとその相手は少年の〇〇だった・・・という衝撃を受ける場面も印象的でした。
私も似たような経験をしているので、そのショックは相当なものであっただろうと共感できました。
イワン・ツルゲーネフの「初恋」は古い小説ですが、いつの時代も通じる恋愛心理を描いた名作だと思います。
イワンツルゲーネフのプロフィールや経歴について
ここでは、イワン・ツルゲーネフのプロフィールや経歴についてご紹介します。
プロフィールについて
- 名前:イワン・ツルゲーネフ
- 本名:イワン・セルゲーエヴィチ・ツルゲーネフ
- 年齢:64歳没
- 生年月日:1818年11月9日(ー 1883年9月3日)
- 出身:ロシアのオリョ
- 身長:192センチ
- 血液型:不明
経歴について
イワンツルゲーネフは、ロシアのオリヨールの貴族として生まれます。
モスクワ大学に入学しますが、ペテルブルグ大学哲学科に転じ、哲学を学びます。
卒業後は内務省に入省し、役人生活を送ることに。
そして、内務省を辞めた後、叙事詩パラーシャを発表し文学活動を始めますが、人妻であるオペラ歌手に惚れ込んで、彼女のあとを追ってパリへ。
それからロシア帝国の貧しい農奴の生活を描いた「猟人日記」を発表し、世間に衝撃をあたえます。
実は、当時の皇帝アレクサンドル2世もその作品を読んでショックを受けて、ロシアの農奴制を廃止したと言われています。
その後も社会論争を巻き起こす作品を次々と発表し、パリで多くの芸術家たちと交流を深めますが、1883年にパリで死去しています。
イワンツルゲーネフの主な代表作品
イワン・ツルゲーネフの主な代表作品をご紹介します。
猟人日記:1852年にツルゲーネフによって発表された短編集で、ツルゲーネフの名を世に知らしめた作品と言っても良いかと思います。
余計者の日記:主人公が自分自身を「余計者」と呼び、自分の孤独や社会的な孤立を描いた作品。「余計者」とは、社会的に不適合な人物を指す言葉で、主人公が自分自身を指して使っていますが、この作品によってこの種の人物を「余計者」と呼ぶようになったと言われていますね。
父と子:父と子の諍い、世代間の違いを描いた一冊で、それぞれの人物に性格があって、特にアルカージイとその父ニコライの善良さが印象深いです。19世紀ロシアの時代状況が見て取れる作品となっているかと思います。
イワンツルゲーネフ「初恋」はこんな人におすすめ!
「初恋」はこんな人におすすめです!
恋愛を今している方から、これから女性と恋をしたいと考えているすべての男性におすすめしたいし、その中でも特に思春期の若い男性。
この小説には男性の女性に対する恋愛心理のすべてが詰まっているので、場面場面で思い当たるふしがあると思います。
そのため自分が体験した片思いの時のつらさ、もどかしさを主人公に重ね合わせてみてしまいまます。
また一般的には若いころは、女性のほうが心理的にも男性より大人びていることが多いので、特に年上の女性には翻弄されてしまいます。
そして失恋したときの自分が全否定されたようで、世界が終わるような感覚などもよくわかります。
ツルゲーネフは自分が若いころの体験をもとに、この小説を書いているので非常にリアリティがあるのです。
まとめ
今回は、イワンツルゲーネフの「初恋」を読んだ感想やおすすめ理由を紹介してきました。
読んでいると、自分もウラジーミルのように恋をしたことがあるかどうかを考えさせられました。
「初恋」は、忘れられないものですが、それが幸せなものだったかどうかは人それぞれですよね。
この小説は、そんな「初恋」の美しさと哀しさを描いた名作だと思います。
興味を持たれた方にはぜひ読んでみてほしい作品ですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。