宮本輝の「ドナウの旅人」を読んだ感想について
まずは、宮本輝の「ドナウの旅人」を読んだ感想についてご紹介します!
いくつになって読んでも、何度読んでも、ドキドキする大人の恋愛小説です。
母親と年下の愛人、そしてその娘とドイツ人の恋人がドナウ川に沿って旅する話なのですが、私は、娘が別れたドイツ人の元恋人のところに行って再会して、よりを戻すところがもう本当に大好きなのです。
娘の名前は麻沙子というのですが、彼女が素子が元恋人のドイツ人のシギィとのやりとりが、はがゆくもあり、切なくもあり、いじらしくもありで、何とも心理描写が良いのです。
胸キュンしてしまうシーンが多々ありますが、露骨な表現が無い分、想像が膨らみます。
個人的には過激な表現が無い方が、余計にエロスを感じます。
作者の宮本輝さんは男性なのですが、女性の心の揺れ動きを描写するのが本当に上手くて、引き込まれてしまいます。
男性の作者だからこそ描ける女性だと言えるかもしれませんね。
母親と娘のそれぞれの恋のお話があまりにも素敵で、行った事のないドイツの風景が目に浮かんできてそれも素敵で、一旦読みだしたら、ページを繰る手が止まらなくなる作品です。
そして、何度読み返しても、またページを繰る手が止まらない、恋愛小説の名作だと思います。
こうして書いていて、また読み返したくなりました。
宮本輝のプロフィールや経歴について
宮本輝さんのプロフィールや経歴についてご紹介します。
プロフィールについて
- 名前:宮本輝
- 本名:宮本正仁
- 年齢:77歳(2024年9月現在)
- 生年月日:1947年3月6日
- 出身:兵庫県神戸市
経歴について
宮本輝さんは、広告代理店勤務を経て、1977年に「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞してデビュー。
その後、1977年「螢川」で芥川賞、競走馬を描いた「優駿」で1986年に吉川英治賞を受賞します。
20代半ばからパニック症候群に苦しんでいたという過去があり、サラリーマン生活に強い不安を感じていたそうです。
プロならとにかく面白い小説を書くべきだと公言していて、その通り、とにかく面白い小説本当に沢山書かれた小説家です。
他にも司馬遼太郎賞など沢山の賞を受賞されている、類まれなる才能を持った純文学ながら、エンターテイメント性の高い小説を沢山出版されています。
物語だけでなく、人物描写にも非常に長けてらっしゃいます。
宮本輝の主な代表作品
ここでは、宮本輝さんの主な代表作品をいくつかご紹介します。
- 泥の河
- 螢川
- 錦繍
- 優駿
- 彗星物語
宮本輝さんの作品はどれも素晴らしいと思いますが、個人的には上記の作品を代表作品としてあげておきます。
ぜひ、一度手に取って読んでみてほしいですね!
宮本輝の「ドナウの旅人」はこんな人におすすめ!
最後に、宮本輝さんの「ドナウの旅人」をおすすめしたい人について書きたいと思います。
大人の女性に勧めたいです。
娘の麻沙子の年齢、もしくは麻子の母親の絹子の年齢の女性だと、娘なら娘の気持ち、母親なら母親の気持ちになって、感情移入できるからです。
そして、恋愛小説と言っても、露骨で過激な表現を用いたものは苦手な、純文学好きの方におすすめです。
人間の愛に関しては実に深く生々しく描かれていますが、ドイツという土地の描写が美しく、そのコントラストがとても素晴らしいので。
恋愛に悩んでいる若い女性、長年連れ添いがいる主婦の人、この作品を読んで、私自身がそうだったように、また私がこの小説を勧めた私の母親がそうだったように、この小説から女は死ぬまで女なんだな、終わりが無いんだな・・・と再確認して欲しいと思います。
まとめ
今回は、宮本輝さんの「ドナウの旅人」についてご紹介しました。